北海道の空き家率ランキング2026。市町村別データと増加の背景

北海道の雪国びより

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北海道を車で走っていると、雨戸が閉め切られたままの家や、庭が伸び放題になっている家を目にすることが増えたと感じませんか。私自身、道内を移動するたびに、そうした空き家の存在が年々目立つようになってきたと実感しています。特に地方の集落を訪れると、その変化の速さに驚かされることも少なくありません。

この記事では、総務省による住宅・土地統計調査をもとに、北海道の空き家率の実態と、市町村別に見た傾向、そして空き家が増える背景について詳しく解説していきます。あわせて、自治体の対策や、移住者にとっての空き家活用の可能性についても紹介します。

目次

北海道の空き家率、全国24位の高水準

結論から言うと、北海道の空き家率は15.6%と、全国平均の13.8%を上回る水準にあります。都道府県別では全国24位に位置し、空き家数は45万1,900戸にのぼります。これは令和5年の住宅・土地統計調査(総務省統計局、2024年11月公表)による確報値です。

「北海道は空き家が特に多いイメージがある」と感じる方も多いかもしれませんが、実際には全国順位で見ると中位から上位に位置する程度で、突出して深刻というわけではありません。ただし、過去の調査と比較すると、空き家率・空き家数ともに過去最高を更新しており、増加傾向にあることは間違いありません。5年ごとに実施されるこの調査は、住宅政策を考える上での重要な基礎資料として、国や自治体の施策にも活用されています。

市町村別に見た空き家率の実態

市町村別のデータを見ると、道内で最も放置空き家率が高いのは歌志内市で、26.9%という高い水準を記録しています。歌志内市は、かつて炭鉱産業で栄えた空知地方の自治体で、産業構造の転換とともに人口減少が進んできた地域のひとつです。

こうした旧産炭地エリアや、農村部の小規模な自治体では、空き家率が全国平均を大きく上回るケースが目立ちます。一方で、札幌市など都市部では、比較的空き家率が低く抑えられている傾向があります。人口の流入が続く都市部と、流出が止まらない地方とで、空き家率にも明確な地域差が生まれているのが実情です。

エリアの特徴 空き家率の傾向 背景
旧産炭地(空知地方など) 非常に高い 産業構造の転換、人口流出
農村部・漁村部 高い 後継者不足、高齢化
地方中核都市 中程度 人口減少と再開発が混在
札幌市とその近郊 比較的低い 人口流入が続いている

空き家が増える背景にあるもの

空き家が増える最大の要因は、人口減少と高齢化です。親世代が亡くなったり施設に入居したりした後、実家を相続した子世代がすでに都市部で生活基盤を築いており、実家に戻る予定がないケースが増えています。

解体費用の負担も、空き家が放置される大きな要因のひとつです。古い木造住宅の解体には数十万円から百万円以上の費用がかかることも珍しくなく、活用の見込みが薄い建物であればあるほど、所有者が解体に踏み切れずそのまま放置してしまう傾向があります。更地にすると固定資産税の軽減措置が外れて税負担が増えることも、解体をためらわせる一因になっています。

また、土地の売却や賃貸を試みても、需要そのものが乏しい地域では買い手・借り手が見つからず、結果として空き家のまま長期間放置されるケースも少なくありません。特に旧産炭地や過疎化が進む農村部では、この傾向が顕著です。不動産業者にとっても、需要の見込めない地域の物件を積極的に扱うインセンティブが働きにくいという事情も背景にあります。

空き家がもたらす地域への影響

空き家の増加は、景観の悪化だけでなく、防犯・防災面でもさまざまなリスクをもたらします。管理が行き届かない空き家は、不審者の侵入や放火のリスクが高まるほか、雪の重みによる倒壊、屋根の落雪による近隣への被害なども懸念されます。

特に雪国である北海道では、積雪による建物への負荷が本州以上に大きく、管理されていない空き家が倒壊するリスクは決して無視できません。私自身、除雪が行き届かない空き家の前を通るたびに、雪の重みで今にも傾きそうな屋根を見かけることがあり、他人事とは思えない危機感を覚えます。隣接する住宅への被害も心配され、近隣住民にとっては切実な問題です。

自治体の空き家対策

こうした状況を受けて、道内の多くの自治体が空き家対策に力を入れています。代表的な取り組みが「空き家バンク」という制度です。所有者が空き家の情報を登録し、移住希望者とのマッチングを図る仕組みで、道内のほぼすべての自治体が何らかの形で運用しています。

また、老朽化が進み危険性の高い「特定空家等」に指定された建物については、自治体が所有者に対して除却や修繕を指導・勧告できる制度も整備されています。それでも改善が見られない場合は、行政代執行によって強制的に解体が行われるケースもあります。

空き家の活用を促進するため、リフォーム費用の補助制度や、固定資産税の減免措置を設けている自治体も増えてきています。空き家を単なる負の遺産として放置するのではなく、地域資源として再生させようという動きが各地で進んでいます。移住希望者が増えている自治体ほど、こうした制度の整備に力を入れている印象があります。

空き家の種類とそれぞれの実態

ひとくちに「空き家」と言っても、その内訳はさまざまです。統計上の空き家は、大きく「賃貸用の空き家」「売却用の空き家」「二次的住宅(別荘等)」「その他の空き家」に分類されます。

このうち、社会問題として特に注目されるのは「その他の空き家」です。賃貸や売却の予定がなく、活用されないまま放置されている住宅を指し、北海道でもこのカテゴリーの増加が深刻な課題となっています。相続した実家をそのままにしているケースの多くが、この「その他の空き家」に該当します。

一方、賃貸用・売却用の空き家は、市場に流通している物件であり、いずれ新しい入居者や買い手が見つかる可能性があります。空き家問題を考える際は、こうした種類ごとの違いを理解しておくことが大切です。

全国と比較した北海道の特殊事情

北海道の空き家問題には、他の都府県とは異なる特殊な事情もあります。ひとつは、冬季の管理の難しさです。積雪地帯では、屋根の雪下ろしや除雪を怠ると、建物への負荷が急速に高まります。所有者が道外に転居している場合、冬場の管理を誰も行えないまま放置されるケースが少なくありません。

もうひとつは、広大な土地に人口が薄く分散しているという地理的特性です。過疎化が進む地域では、そもそも住宅需要そのものが乏しく、空き家バンクに登録しても買い手・借り手がなかなか見つからないという構造的な課題を抱えています。

こうした事情から、北海道の空き家対策には、単に建物を修繕・活用するだけでなく、地域全体の人口動態や産業構造まで含めた総合的な視点が求められています。一軒の空き家問題の裏には、地域社会全体の課題が横たわっているのです。

移住者にとっての空き家という選択肢

北海道への移住を検討している方にとって、空き家バンクは魅力的な選択肢のひとつです。都市部の新築物件と比べて取得費用を大幅に抑えられることが多く、リノベーション次第では、味のある古民家暮らしを実現できる可能性もあります。

ただし、空き家物件には、老朽化による修繕費用が想定以上にかさむリスクや、断熱性能が低く冬の暖房費が高くつくといった注意点もあります。購入前には、必ず建物の状態を専門家に確認してもらい、修繕にかかる費用の見積もりを取っておくことをおすすめします。

私の知人にも、道内の空き家バンクを通じて古民家を購入し、少しずつリノベーションしながら暮らしている方がいます。手間はかかるものの、自分好みの住まいを作り上げていく過程を楽しんでいる様子を見ると、空き家活用にはお金だけでは測れない魅力があるのだと感じます。

空き家バンクを利用する際の流れ

空き家バンクを利用する際は、まず各自治体のウェブサイトで登録物件を確認し、気になる物件があれば問い合わせを行うのが一般的な流れです。多くの自治体では、現地見学の前に移住相談窓口との面談を設けており、地域での暮らしについて具体的な情報を得られる機会にもなります。

現地見学では、建物の状態だけでなく、周辺の生活環境や、冬季の除雪体制、最寄りの医療機関までの距離なども忘れずに確認しておくとよいでしょう。特に積雪の多い地域では、冬場に実際に訪れてみることで、想定していた暮らしとのギャップを事前に把握できます。

契約条件は自治体や物件所有者によって実にさまざまです。定住を条件とした低価格での譲渡や、一定期間のお試し居住が可能な物件など、選択肢は多岐にわたります。自分のライフスタイルに合った条件の物件を、じっくり時間をかけて探すことをおすすめします。

空き家活用と地域おこし協力隊の連携

空き家対策と並行して、地域おこし協力隊の制度を活用し、移住者の定住を後押ししている自治体も少なくありません。協力隊として一定期間活動しながら地域に溶け込み、任期終了後に空き家を取得して定住するというケースも、道内各地で見られるようになってきました。

こうした制度をうまく組み合わせることで、単に空き家を取得するだけでなく、地域とのつながりを築きながら移住を進められるというメリットがあります。空き家問題の解決と、地域コミュニティの担い手不足という、2つの課題を同時に解決する取り組みとして、今後もこうした連携はさらに広がっていくと考えられます。

よくある質問

Q. 北海道の空き家率は全国と比べて高いですか?

A. 15.6%と全国平均(13.8%)をやや上回っていますが、都道府県順位では24位ほどと、突出して高い水準ではありません。

Q. 空き家率が特に高い地域はどこですか?

A. 旧産炭地の歌志内市をはじめ、人口減少が進む農村部・過疎地域で高い傾向があります。

Q. 空き家バンクはどこで確認できますか?

A. 各市町村のホームページで運用されているほか、複数の自治体の物件をまとめて検索できる専用ポータルサイトも存在します。

Q. 空き家を購入する際の注意点はありますか?

A. 修繕費用が想定以上にかかることが多いため、購入前に専門家による建物診断を受けておくことをおすすめします。断熱性能の確認も非常に重要です。

Q. 空き家を相続した場合、どうすればいいですか?

A. 活用予定がない場合は、早めに自治体の空き家バンクへの登録や、解体・売却を検討することをおすすめします。放置すると「特定空家等」に指定され、固定資産税の優遇が受けられなくなる可能性もあります。

Q. 空き家を放置するとどんなリスクがありますか?

A. 倒壊や火災、不法侵入といった防犯・防災上のリスクに加え、老朽化が進むと近隣への被害にまでつながりかねません。特に積雪地帯では、雪の重みによる倒壊リスクに注意が必要です。

Q. 空き家のリフォーム費用を抑える方法はありますか?

A. 自治体によっては、空き家のリフォーム費用に対する補助の制度を設けています。移住・定住を目的とした改修であれば、対象となるケースも多いため、事前に自治体の窓口に相談してみることをおすすめします。

特定空家等に指定されるとどうなるか

老朽化が進み、倒壊の危険性や衛生上の問題があると判断された空き家は、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、「特定空家等」に指定されることがあります。指定されると、自治体から所有者に対して修繕や除却の助言・指導が行われ、それでも改善が見られない場合は、勧告、命令へと段階的に手続きが進みます。

勧告を受けると、これまで住宅用地として適用されていた固定資産税の軽減措置が解除され、税負担が大幅に増加することになります。最終的に所有者が対応しない場合、自治体が行政代執行によって強制的に解体を行い、その費用を所有者に請求するケースもあります。

こうした制度があることからも、空き家を「とりあえず放置しておく」という選択は、将来的により大きな負担につながるリスクをはらんでいると言えます。相続などで空き家を所有することになった場合は、早めに今後の方針を検討することが大切です。

空き家を地域資源として活かす取り組み

近年は、空き家をネガティブな存在としてではなく、地域資源として積極的に活用しようという動きも広がっています。古民家を改装したカフェやゲストハウス、シェアオフィスなど、空き家を新しい形で再生させる事例が道内各地で見られるようになってきました。

移住者やUターン希望者が、空き家をリノベーションして自分たちの暮らしの拠点にするケースも増えています。私自身、道内各地を巡る中で、こうした再生された空き家を目にすることが増えたと感じています。古い建物が持つ独特の風合いを活かしながら、現代の暮らしに合わせて手を加えていく過程には、新築にはない魅力があります。地域の景観に自然と溶け込みながらも、新しい暮らしの息吹を感じさせる建物が増えてきました。

行政としても、こうした民間の取り組みを後押しするため、空き家活用に関するセミナーの開催や、専門家によるマッチング支援など、さまざまな施策を積極的に打ち出しています。空き家問題は、地域にとっての大きな課題であると同時に、新しい暮らし方や事業のチャンスを生み出す土壌にもなり得るのです。

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まとめ

北海道の空き家率は15.6%で過去最高を更新し、旧産炭地や農村部を中心に増加傾向が続いています。人口減少・高齢化という構造的な要因に加え、解体費用の負担や需要の乏しさが、空き家の放置につながっています。

一方で、空き家バンクをはじめとする自治体の取り組みや、移住希望者による活用事例も少しずつ広がりを見せています。空き家は地域にとって負担であると同時に、新しい暮らしの可能性を秘めた資源でもあると、私は感じています。

北海道への移住や、古民家暮らしに興味がある方は、ぜひ気になる自治体の空き家バンクを覗いてみてください。思わぬ出会いが、新しい暮らしの第一歩になるかもしれません。

空き家率という数字の裏側には、人口減少や高齢化という大きな社会構造の変化がじっと横たわっています。一方で、その空き家一軒一軒には、かつてそこで暮らしていた家族の記憶や、これから新しい暮らしを始めようとする人たちの可能性も詰まっています。統計データを入り口に、そうした地域の実情にも目を向けていただけたら嬉しいです。

今後も北海道各地の空き家対策や活用事例については、状況の変化にあわせて随時情報を更新していく予定です。移住や古民家暮らしを検討している方は、定期的にこうした情報をチェックしてみることをおすすめします。

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この記事を書いた人

北海道で暮らして30年。1児の父親です。
北海道での生活や北海道の観光地など、北海道にかかわることを取り上げていきたいと思います。

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