北海道日本ハムファイターズ2軍本拠地は恵庭市へ|ONE BASE HOKKAIDOを徹底解説

北海道日本ハムファイターズ2軍本拠地は恵庭市へ|ONE BASE HOKKAIDOを徹底解説

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この記事の要約

北海道日本ハムファイターズは2026年7月2日、千葉県鎌ケ谷市にある2軍本拠地(ファーム施設)を北海道恵庭市へ移転すると正式発表しました。移転先のプロジェクト名は「ONE BASE HOKKAIDO ~新たな拠点の創造~」。2030年から2031年の開業を目標としています。

恵庭市は1軍本拠地のエスコンフィールド北海道(北広島市)へのアクセスの良さ、新千歳空港との近さ、土地確保の可能性などが評価され、江別市・苫小牧市との最終3候補から選ばれました。

新施設はスタジアムを核に商業・住宅・宿泊施設を含む「ボールパーク型複合施設」になる構想で、エスコンフィールドに続く第2のボールパークとして地域に新たな活力をもたらすことが期待されています。

この記事では、移転の背景と経緯、恵庭が選ばれた理由、新施設の構想、観戦・応援への影響、鎌ケ谷との比較、これからの展望と判断材料を、発表直後の最新情報をもとに解説します。

【結論】2軍が北海道に来る。これはファンにとっての「もうひとつの夢」

ひとつだけ先に言っておきます。この移転は、単なる施設の引っ越しではありません。

北海道のファイターズファンにとって、2軍選手を身近に見られる機会はこれまでほとんどありませんでした。新入団のルーキーたちのお披露目も、将来の1軍選手の成長過程も、すべて千葉・鎌ケ谷での出来事でした。2030年以降、その舞台が恵庭に変わります。

次の大谷翔平、次のダルビッシュ有が、北海道の土で育つかもしれない。その現場を、道民が日常的に目にできるようになる。そういう意味で、この発表は「エスコンフィールドの開業」に続く、ファイターズと北海道の関係にとってのもうひとつの大きな一歩です。

私はこの決定を「球団が北海道に本気でルーツを置く、という意思表示」だと受け止めています。それがどういう意味を持つのか。順を追って解説します。

これまでの2軍本拠地:鎌ケ谷スタジアムとはどんな場所だったか

移転の意義を理解するために、まず現在の2軍本拠地・鎌ケ谷スタジアムについて知っておく必要があります。

鎌ケ谷スタジアムの歴史と役割

鎌ケ谷市には、1997(平成9)年に開業したファイターズ鎌ケ谷スタジアムや屋内練習場、寮がある。毎年、新入団のルーキーたちのお披露目会も開かれ、大谷翔平選手やダルビッシュ有選手ら、多くの選手が鎌ケ谷から巣立っていった。

この事実が、鎌ケ谷という場所の重みをすべて語っています。1997年から約30年にわたって、日本ハムの選手育成の総本山として機能し、日本球界を代表するスーパースターたちをファームから送り出してきた場所です。それは単なる練習施設ではなく、選手の人生が始まる聖地でもありました。

鎌ケ谷スタジアムのもうひとつの特徴は、観客との距離の近さです。収容人数は1万人規模ですが、グラウンドとスタンドの距離が非常に近く、選手の息遣いや表情まで感じられる「アットホームな球場」として、熱心なファンからも愛されてきました。

なぜ移転が必要になったのか:3つの理由

背景にはスタジアムの老朽化や、1軍本拠地「エスコンフィールド北海道」(北広島市)との物理的距離の問題があります。

具体的に整理すると、移転の背景には3つの理由があります。

理由1:施設の老朽化。1997年開業の鎌ケ谷スタジアムは、2026年時点で築30年近くが経過しています。プロの育成施設として求められる設備水準を維持・向上させるには、大規模な改修か新築が必要な段階に来ていました。

理由2:1軍本拠地との距離。2023年にエスコンフィールド北海道(北広島市)が開業し、1軍が北海道に完全移転しました。しかし2軍は依然として千葉・鎌ケ谷にあります。1軍と2軍の行き来が物理的に困難なため、選手の緊急昇格・降格時の移動コストや選手の疲労が大きいという課題がありました。「昼間に2軍の試合をして、夜に1軍の試合に合流する」といった機動的な運用が、現状ではほぼ不可能なのです。

理由3:育成と地域の一体化という球団の哲学。エスコンフィールドのオープンを機に、球団は北海道全体との共生を経営の軸に据えています。ファームも北海道に移すことで、選手が北海道の土で育ち、北海道のファンに見守られながら成長する。この「北海道ブランドの選手育成」という構想を実現するためにも、移転は必然の選択でした。

移転先の選定プロセス:なぜ恵庭市が選ばれたのか

球団は昨年7月に千葉県鎌ケ谷市の2軍施設を北海道内に移転すると発表。候補は当初の6市から、1軍本拠地のエスコンフィールドや新千歳空港のアクセス面などを考慮し、恵庭市、江別市、苫小牧市の3市に絞られていた。

当初6市が候補に挙がり、最終的に恵庭市・江別市・苫小牧市の3市が最終候補として残りました。この選定で何が評価されたのか、各市の特徴と評価軸を整理します。

最終候補3市の比較

恵庭市:エスコンフィールドがある北広島市と新千歳空港の中間に位置し、JR千歳線が走っています。快速で北広島へ約15分、新千歳空港へも短時間でアクセスできる、立地の利便性が群を抜いていた市です。道民ファンの間でも「恵庭本命」「一番無難」という見方が支配的でした。

江別市:12万人の人口を持ち、札幌から20〜30kmとアクセスが良好。「江別日ハム誘致期成会」を発足させ、市を挙げた積極的な誘致活動を展開しました。

苫小牧市:16〜17万人と候補の中で最大の人口規模を持ちますが、エスコンフィールドから約60kmと距離が離れていた点が不利に働いた面があります。Jリーグキャンプの誘致(名古屋グランパス)でも積極的に動いている市で、スポーツ誘致に意欲的な姿勢を見せていました。

恵庭市が選ばれた決め手:4つの強み

決め手1:エスコンフィールドへの近さ。1軍本拠地との距離は、選手の昇降格の機動性に直結します。車でも電車でも15分程度という距離感は、他の2市と比べて圧倒的な優位性でした。「昼間に2軍の試合をして夜に1軍の試合の親子ゲーム観戦も苦にならない立地」という声が、道民ファンの間からも自然に出てきていたほどです。

決め手2:新千歳空港へのアクセス。遠征や球団関係者の移動、さらには将来の外国人育成選手の招聘を考えると、国際空港へのアクセスの良さは重要な要素です。新千歳空港に近い恵庭市の立地は、この観点でも高く評価されました。

決め手3:土地確保の現実性。ボールパーク型複合施設の建設には、相当な広さの土地が必要です。恵庭市には候補として検討できる土地があり、事業化の現実性という観点でも優位に立っていたとみられます。

決め手4:市民・地域の熱意。恵庭市では「北海道日本ハムファイターズ2軍本拠地誘致」を目指す決起集会が開かれ、関係者や市民が「恵庭に来てほしい」という思いを共有してきました。地域の受け入れ体制と熱意も、球団の決断を後押しする要因のひとつになったと考えられます。

「ONE BASE HOKKAIDO」:新施設の構想とビジョン

プロジェクト名「ONE BASE HOKKAIDO ~新たな拠点の創造~」。この命名には、球団の意図が凝縮されています。

ボールパーク型複合施設という構想

移転後の新球場は、単なる試合会場にとどまらず、選手寮や室内練習場、さらには商業施設なども備えた「ボールパーク型複合施設」となる可能性があり、地域活性化の起爆剤としても注目されています。

球団関連施設のほか、ホテルや住宅、小売店なども含めた複合的な…施設を想定しているとの発表内容は、エスコンフィールド北海道(北広島市)がたどった道筋と非常に似ています。

エスコンフィールドの開業が北広島市に生んだ変化を振り返ってみましょう。2023年の開業以降、周辺にはホテルや飲食店が立ち並び、「Fビレッジ」と呼ばれるエリアが一帯の観光スポットとして定着しました。平日でも観光客が訪れ、地域経済に大きなインパクトをもたらしています。恵庭市の新施設も、この「エスコンモデル」を2軍版として再現しようという構想です。

スタジアムを核に、選手寮・室内練習場・商業施設・ホテル・住宅が集積したエリアが恵庭に生まれれば、それは単なる球場建設ではなくまちづくりそのものです。

2030〜2031年開業という時間軸

開業時期として示されているのは2030年から2031年という目標です。現在2026年ですので、開業まではあと4〜5年という計算になります。この間に、用地の確定、設計、建設、各種許認可などのプロセスが進んでいきます。

現在の鎌ケ谷スタジアムは、新施設の開業まで引き続き2軍本拠地として機能することになります。鎌ケ谷市の芝田裕美市長も「昨年来の意見交換の場において、球団と鎌ケ谷市との連携の強化・継続について合意しており、今後とも引き続き、日本ハムファイターズとの連携を深めてまいります」とコメントしており、移転後も何らかの形でのつながりが続く見通しです。

新庄監督・栗山CBOのコメントに込められた思い

発表の場となったエスコンフィールドでの会見で、新庄剛志監督と栗山英樹チームビルディングオフィサー(CBO)のコメントが注目されました。

新庄監督「今の選手は幸せ」、栗山CBO「次の世代に環境を」

栗山CBOの「次の世代に環境を」という言葉は、この移転の本質を突いています。今の選手がすぐに恩恵を受けるわけではなく、2030年代以降に入団してくる選手たちのために、今から環境を整えるという長期的なビジョンが込められています。

新庄監督の「今の選手は幸せ」という言葉も印象的です。エスコンフィールドという世界水準の1軍施設に、恵庭の2軍施設が加わることで、選手が北海道で一貫してプロとしての環境の中で育つ未来への期待感が伝わってきます。

ファンとして今できること、これからの楽しみ方

新施設の開業は2030年以降ですが、今から準備できることや楽しめることがあります。

現在の鎌ケ谷スタジアムを訪れる

2030年の移転まで、鎌ケ谷スタジアムはまだ使われます。「北海道に来る前の最後の鎌ケ谷時代」を体感できるのは今だけです。新幹線で東京方面に行くついでに千葉・鎌ケ谷を訪れ、アットホームな雰囲気のファーム球場で若手選手を応援するのも、貴重な思い出になるはずです。

鎌ケ谷スタジアムへは、北総鉄道「新鎌ケ谷駅」から徒歩圏内、または新鎌ケ谷から徒歩でアクセスできます。スタジアムの収容規模は約1万人で、チケットは比較的入手しやすく、選手との距離の近さという意味では1軍の試合にはない体験ができます。

恵庭市の現在の姿を知っておく

2030年代の恵庭を楽しむためにも、まずは恵庭市という街を知っておきましょう。恵庭市はJR千歳線が走る札幌南部の都市で、恵庭駅・恵み野駅・島松駅の3駅があります。周辺には「花の拠点 はなふる」など自然を生かした観光施設もあり、酪農・農業も盛んな地域です。

なお、最寄り駅については「快速に乗ると恵み野駅を通過して罠にかかる」というファンの指摘も出ており(恵み野駅は各停のみ停車)、将来の新施設開業後は施設に合わせた快速停車の要望も生まれてくることでしょう。こうした地域のリアルな情報も、開業前から把握しておくと便利です。

情報収集の習慣をつける

ONE BASE HOKKAIDOは発表されたばかりのプロジェクトです。今後、用地の確定、施設の設計、ネーミングライツ、運営方針など、さまざまな情報が順次公開されることになります。球団の公式サイト・SNS、北海道新聞などの地元メディア、道内のファイターズ関連メディアをフォローし、最新情報をキャッチする習慣をつけましょう。

新千歳空港への近さを活かした「ファーム観戦ツアー」という旅のスタイルが、2030年代には定番になっている可能性もあります。エスコンフィールドが北広島の地域経済を変えたように、恵庭でも「野球観戦×北海道旅行」の新しい形が育まれていくはずです。当サイトの北海道の道の駅の記事や北海道の月別気温・服装ガイドなども、将来の恵庭遠征の参考にしてみてください。

恵庭市を訪れてみる:ニュータウンと自然が共存する街

2030年代に向けて、恵庭市という街を体感しておく価値があります。

恵庭市の恵み野エリアは、計画的に開発された住宅地で、花と緑が豊かな「花のまち」として知られています。「花の拠点 はなふる」は、北海道で随一の花のスポットとして人気の観光施設です。街全体が整然とした緑豊かな環境で、球場建設に適した広大な土地が確保しやすい地形でもあります。

札幌からJR千歳線で恵庭駅まで約30分、恵み野駅まで約35分程度です。車ならば道央道を利用して北広島から15分ほどという好立地は、エスコンフィールドとのダブル遠征(昼に2軍、夜に1軍)という夢のような観戦スタイルも現実的な距離感にしてくれます。

鎌ケ谷スタジアムとの比較:継承されるもの、変わるもの

恵庭への移転によって、何が変わり、何が引き継がれるのかを整理します。

変わること

立地と距離感:最も大きく変わるのは地理的な条件です。千葉県内の鎌ケ谷から、1軍本拠地まで車・電車で15分圏内の恵庭市へ。選手の移動コストと疲労負担が大幅に軽減され、1軍昇格・再調整のサイクルが格段に速くなります。親子ゲーム(1軍と2軍が同じ日に試合を行う機会)の実施頻度も増えることが期待されます。

施設の規模と機能:老朽化した鎌ケ谷の施設から、2030年代の水準で新設される複合施設へ。選手寮、室内練習場、トレーニング設備、商業施設など、ファームの「町」としての機能が大きく向上することが想定されます。

ファンとの関係:千葉のファン・関東のファンにとっては、鎌ケ谷に会いに行けた気軽さがなくなります。一方で、北海道のファンにとっては、これまで遠かった2軍の選手たちを身近に見られる時代が始まります。

変わらないこと・引き継がれること

育成の哲学:大谷翔平やダルビッシュ有を生み出した鎌ケ谷の育成文化は、新施設でも継承されます。むしろ、1軍との距離が縮まることで、育成のPDCAサイクルが加速するという期待もあります。

鎌ケ谷との連携:芝田市長のコメントにあった通り、球団と鎌ケ谷市は引き続き連携を続ける方針です。完全な「縁切り」ではなく、何らかの形で関係性が維持される見通しです。スカウトやアカデミー活動など、関東圏での活動拠点としての機能が一部残る可能性もあります。

アットホームな雰囲気:鎌ケ谷スタジアムが愛された最大の理由である「ファンと選手の距離の近さ」は、新施設でも意識的に受け継がれることが期待されます。エスコンフィールドが「観戦体験そのものを価値にする」ボールパークとして設計されたように、恵庭の新施設も「ファームの温かさ」を設計コンセプトに織り込むことが求められます。

他球団のファーム施設との比較

プロ野球の2軍施設は、球団によって規模や機能が大きく異なります。近年整備が進んでいる施設として、読売ジャイアンツのジャイアンツ球場(東京都川崎市)や、横浜DeNAベイスターズの施設などが参照されています。

北海道日本ハムがエスコンフィールドという1軍施設で実現した「球場を中心としたボールパーク型まちづくり」を、ファームでも同様の形で実現しようとするなら、それは国内の2軍施設の中で最先端の事例になり得ます。「ファームも観光資源にする」という発想は、日本プロ野球界においてまだ十分に開拓されていない領域です。

恵庭市と地域経済:移転がもたらすインパクト

2軍施設の移転は、恵庭市にとって何をもたらすのでしょうか。エスコンフィールドが北広島市に与えたインパクトを参照しながら、考えてみます。

エスコンフィールドが北広島市に与えた変化

エスコンフィールド北海道(北広島市)の事例は、プロ野球施設が地域に与えるインパクトの実例として、すでに全国的に注目されています。球場周辺の「Fビレッジ」には商業施設・ホテル・体験施設が集積し、試合のない日でも訪れる観光客が絶えない状況が生まれました。周辺の不動産価格や宿泊需要にも影響が出ており、「球場がひとつの街を変える」ことの実証事例となっています。

恵庭市の新施設も、同様のインパクトを期待できます。ただし、2軍施設という性格上、来場者数や周辺需要の絶対値はエスコンフィールドには及びません。それでも、日常的に選手や関係者・スタッフが滞在し、宿泊・飲食・交通の需要が生まれることは、恵庭市の地域経済にとって継続的なプラス効果をもたらします。

来場者数の可能性

1軍の試合動員と比べると2軍試合の来場者は少ないものの、ファームはファーム独自のファン層を持っています。専門的な分析によると、札幌都市圏内(恵庭・千歳・江別)の立地であれば、平均1,500〜2,500人の動員が現実的な数字とみられています。

週末には特に、子ども連れのファミリー層や若手選手を応援するコアなファンが集まることが予想されます。エスコンフィールドでの1軍観戦とは異なる「距離の近さ」がファームの最大の魅力ですから、選手とのより近い交流を求めるファンには、恵庭の施設が新たな「聖地」になる可能性があります。

恵庭市にとっての意義

恵庭市は「北海道日本ハムファイターズ2軍本拠地誘致」に向けた決起集会を開くほど、市民一丸となって誘致活動を進めてきました。移転決定は、こうした市民の努力が報われた結果でもあります。

スポーツ施設の誘致は、単なる経済効果にとどまらず、市のブランド価値向上、若い世代の定住促進、まちの誇りの醸成といった、数字で表しにくい価値をもたらします。「ファイターズが育つ街」という新しいアイデンティティが、これから恵庭市の一部になっていくのです。

プロジェクトの名前に込められた意味:ONE BASE HOKKAIDOとは

プロジェクト名の「ONE BASE HOKKAIDO」を、もう少し丁寧に読み解いてみます。

「ONE BASE」という言葉には複数の意味が重なっています。まず野球用語としての「一塁」。ヒットを打って一塁に立つことは、選手として最初の成功体験であり、プロのキャリアの出発点を象徴します。育成を担うファーム施設にとって、これ以上ないほどふさわしいメタファーです。

もうひとつの読み方は「ONE(ひとつの)BASE(拠点)」。1軍も2軍も、育成の場も観光の場も、すべてが北海道という一つの拠点に集約される。「ONE BASE HOKKAIDO」は、球団が北海道への完全なルーツ移植を完成させるという宣言とも読めます。

ファイターズは東京を離れ、2023年に1軍が北海道に完全移転しました。しかし2軍だけが千葉に残り、「ファイターズの全体像」は依然として分断されていました。ONE BASE HOKKAIDOが完成すれば、その分断が解消されます。1軍の夢の舞台エスコンフィールドと、2軍の育成の場・恵庭が一本の線でつながる。「北海道日本ハムファイターズ」という球団が、初めて文字通り「北海道の球団」として完結する瞬間になります。

鎌ケ谷の歴史を振り返る:次の拠点への橋渡し

恵庭への移転を語るには、鎌ケ谷という場所が持つ歴史的な重みを、もう一度確認しておく必要があります。

ファイターズ鎌ケ谷スタジアムは1997年に開業しました。球団がまだ東京を本拠地としていた時代から、若手選手の育成の場として機能してきた施設です。2004年に球団が北海道に移転した後も、2軍だけは千葉に残り続けました。

この施設から巣立った選手の顔ぶれを見ると、日本野球史の一ページを彩る名前が並びます。2013年から日本ハムに入団し、ファームから1軍へ、そしてメジャーリーグへと駆け上がった大谷翔平選手。ダルビッシュ有投手も同様に、鎌ケ谷での時間を経てエースへと成長しました。

この歴史の重みがあるからこそ、移転決定は単純に「施設の問題が解決された」という話ではありません。鎌ケ谷という場所への敬意と、そこで積み上げられてきた育成の哲学を恵庭に受け継ぐという責任が、新プロジェクトには伴っています。

移転発表を受けた鎌ケ谷市の反応

移転が発表された当日、芝田裕美鎌ケ谷市長は「市民はもとより、多くのファイターズファンに愛されてきたことから、大変残念に思っている」としながらも、「球団と鎌ケ谷市との連携の強化・継続について合意しており、今後とも引き続き、日本ハムファイターズとの連携を深めてまいります」とのコメントを発表しました。

長年の歴史に幕を引くことへの惜しむ気持ちと、球団との関係を前向きに続けていくという意思が、このコメントに凝縮されています。鎌ケ谷のファンやスタジアム周辺の方々にとって、2030年までの残り数年は「感謝の時間」になるはずです。

移転候補から脱落した江別市・苫小牧市の動き

最終3候補でありながら恵庭市に敗れた江別市と苫小牧市についても、それぞれの誘致活動の経緯を振り返っておきます。

江別市の誘致活動

江別市は「江別日ハム誘致期成会」を発足させ、署名活動やPR戦略について活発な意見交換を重ねるなど、市を挙げた積極的な誘致活動を展開しました。人口12万人、札幌から20〜30kmという好立地であることも強みでした。残念ながら最終的には恵庭市に決まりましたが、誘致のプロセスで積み上げた地域の連帯感や行政・民間の連携ノウハウは、今後の他のスポーツ誘致活動にも活かされていくでしょう。

苫小牧市の挑戦

苫小牧市は苫小牧商工会議所が「北海道日本ハムファイターズ2軍施設を誘致する会」を発足させ、東胆振1市4町の37団体が一丸となって誘致に向けた機運醸成活動を展開しました。Jリーグキャンプの誘致(名古屋グランパス)との同時並行での取り組みは、スポーツを通じたまちづくりへの強い意志を示すものでした。

エスコンフィールドからの距離という地理的ハンディは大きかったですが、苫小牧市のスポーツ誘致への情熱は、今後の他のプロジェクトでも続くことが期待されます。

あなたはこの情報をどう活かすか

最後に、立場別の判断材料を整理します。

道内ファイターズファンへ

嬉しいニュースです。2030年以降、好きなチームの若手選手を自分たちの土地で見守れる時代が始まります。今は鎌ケ谷での時代をしっかり記憶にとどめつつ、恵庭での新時代をワクワクしながら待ちましょう。施設の詳細が発表されるたびに、妄想が広がるはずです。

今から恵庭市に興味を持っておくことも損はありません。エスコンフィールドが開業前から注目されたように、恵庭の新施設も発表から開業までの4〜5年間が、地域とファンが一緒に成長する時間です。

関東在住のファイターズファンへ

鎌ケ谷スタジアムが使われるのは2030年までです。この期間に、「移転前の鎌ケ谷」を体験しておくことをおすすめします。残り数年しかない貴重な時間です。そして2030年以降は、北海道遠征の目的地に「恵庭」が加わります。エスコンフィールドとのダブル遠征という、これまでになかった楽しみ方が生まれます。

恵庭市民・恵庭近隣の方へ

地域にとって最大のチャンスが来ました。球場ができれば、試合がある日の飲食需要・宿泊需要・交通需要が定期的に生まれます。地元のビジネスとして、観光として、どう関われるかを今から考えておく価値があります。エスコンフィールドの開業で北広島市の飲食店が潤ったように、恵庭にも同様の波が来る準備をしておきましょう。

北海道のスポーツ・まちづくりに関心がある方へ

ONE BASE HOKKAIDOは、日本のプロ野球における「ファーム施設のボールパーク化」という新しい実験です。エスコンフィールドが1軍でやってみせたことを、ファームで再現できるのか。その答えが2030年代に出ます。スポーツビジネスやまちづくりを学ぶ方にとっても、このプロジェクトの進捗は貴重な参照事例になるはずです。

よくある質問

Q1. 北海道日本ハムファイターズの2軍本拠地はどこになりますか?

2026年7月2日の発表により、北海道恵庭市に決まりました。2030年から2031年の開業を目標としています。プロジェクト名は「ONE BASE HOKKAIDO ~新たな拠点の創造~」です。

Q2. 現在の2軍本拠地(鎌ケ谷スタジアム)はどうなりますか?

恵庭市の新施設が開業するまで、鎌ケ谷スタジアムは引き続き2軍本拠地として使用される予定です。鎌ケ谷市との連携は移転後も継続することが合意されています。

Q3. なぜ恵庭市が選ばれたのですか?

1軍本拠地エスコンフィールド(北広島市)へのアクセスが車・電車で15分程度と近く、新千歳空港へも近いという立地の優位性が最大の決め手です。当初6市が候補に挙がり、江別市・苫小牧市との最終3市の比較の結果、恵庭市が選ばれました。

Q4. 新施設はどんな内容になりますか?

スタジアムを中心に、選手寮・室内練習場・商業施設・ホテル・住宅なども含む「ボールパーク型複合施設」を想定しているとされています。エスコンフィールドを1軍版とすれば、恵庭の施設は2軍版ボールパークといえる構想です。

Q5. エスコンフィールドと恵庭の新施設はどのくらい離れていますか?

北広島市のエスコンフィールドから恵庭市まで、車でおよそ15分程度の距離です。JR千歳線でも同様に近く、選手の1軍・2軍間の行き来が大幅にスムーズになります。

Q6. 鎌ケ谷で育った有名選手はいますか?

大谷翔平選手、ダルビッシュ有投手をはじめ、多くのスター選手が鎌ケ谷ファームから巣立っています。毎年の新入団ルーキーのお披露目会も鎌ケ谷で行われており、選手育成の聖地として長年親しまれてきました。

Q7. 恵庭市への移転で、ファンとしてできることはありますか?

現在できることとして、鎌ケ谷スタジアムへの観戦(移転まで使用継続)、恵庭市という街の事前調査、そして球団・地元メディアの最新情報のフォローが挙げられます。2030年以降はエスコンフィールドと恵庭の新施設を組み合わせた「ダブル遠征」という新しい観戦スタイルも生まれます。

まとめ:北海道が選手を育てる時代が来る

最後に、この記事の要点を振り返ります。

2026年7月2日、北海道日本ハムファイターズは千葉・鎌ケ谷から北海道恵庭市への2軍本拠地移転を正式発表しました。プロジェクト名は「ONE BASE HOKKAIDO」。2030〜2031年の開業を目指します。選ばれた理由は、エスコンフィールドへの15分圏内という圧倒的な立地、新千歳空港へのアクセス、そして恵庭市民の熱意です。

新施設はボールパーク型複合施設を構想しており、エスコンフィールドが北広島に生んだ変化を、恵庭でも再現しようという野心的なプロジェクトです。栗山CBOが言った「次の世代に環境を」という言葉が、このプロジェクトの本質を表しています。

今後育つ選手が北海道の土を踏み、北海道のファンに見守られながら1軍を目指す。次の大谷翔平が恵庭から生まれるかもしれない。その夢の舞台が、今動き始めています。

※本記事の情報は2026年7月時点のものです。施設の詳細・開業時期などは今後変更になる可能性があります。最新情報は北海道日本ハムファイターズの公式サイトでご確認ください。

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北海道で暮らして30年。1児の父親です。
北海道での生活や北海道の観光地など、北海道にかかわることを取り上げていきたいと思います。

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